指しゃぶりとおしゃぶりはいつまでにやめたらいいの?(子どもの歯並びと歯科矯正の話2)

更新日:7月15日

1指しゃぶりは歯並びと関係あるの?いつまでにやめたらいいの?


指しゃぶりは身体や歯並びに悪いイメージがあります。ただ、生まれる前の胎児は24週頃から母親のお腹の中で指しゃぶりをしていることが明らかになっているため、1〜2歳の指しゃぶりは、お口の機能を高めるための意味のある生理的行為、「ハンドリガード」とよばれる自分の手を見つめることからの発達、と考えると赤ちゃんの認知の発達につながるためこの時期に止めさせる必要はないと考えられます。



しかし、3歳半までには指しゃぶりをやめる方向に誘導していきたいものです。

指しゃぶりを長く続けていると、舌や唇を歯と歯の間に入れ込んでしまうクセにつながり、出っ歯や開咬(奥歯は咬んでいるが上下の前歯が当たらない状態)、歯列の形に異常が出るなどの不正咬合を引き起こす恐れがあります。

開咬になると舌と唇の筋力が弱くなり、発音、物を食べる、飲み込みに影響し、口呼吸になりやすくなります。


3歳半を過ぎても指しゃぶりが続いてしまう場合、より積極的な対応が必要になりますが、

指しゃぶりは心理的な問題で起こるといわれていますので、その際に、周囲が子どもと向き合って、幼稚園や保育園、お家での心の不安を解消させていくことが大事です。

焦らずにお子様の心理を理解して、指しゃぶりを怒らず、無理にやめさせず、指しゃぶりをしなかった時間を褒めることをしてあげましょう。


歯並びに影響が出てしまった場合は、かかりつけ医に相談してみてください。または子どもの矯正を行なっている歯科医院で相談するのも1つの方法です。





2指しゃぶりをやめさせるための方法は?


①ごほうびシールを貼る


1日指しゃぶりをしなかったときはカレンダーやノートにごほうびシールを貼ることで、子供のやる気を上げていく方法です。


②寝付くまでは手を握ってあげる


ダメと叱り付けるのではなく、握ってあげることで愛情表現のなかで自然と指を口に入れないようにする方法です。


③指しゃぶりを防ぐためのマニキュア


おもちゃを誤って飲み込まないように苦い塗料が塗られているという話を聞いたことはありますか?安息香酸デナトニウムという苦味が強くギネスブックにも載っているものです。(1989 DENATONIUM BENZOATEとギネスブックで検索できます)

この安息香酸デナトニウムを使用した指しゃぶり専用のマニキュアが販売されています。なめると苦いので指しゃぶりをやめていくことが期待できます。



④指サックや手袋をはめる


指サックや手袋をして指しゃぶりが難しい環境にするのも1つの方法です。手袋に刺繍をして指人形をつくり、子どもと遊びながら指しゃぶりをやめるように伝えるのも良い方法です。


⑤指しゃぶりに関する絵本を読む


指しゃぶりの本を何度も読み聞かせをすることで、子どもが内容を記憶し、指しゃぶりはいけないと気づく可能性があります。



3おしゃぶりは使用した方がいいの?


おしゃぶりは育児において便利な道具です。赤ちゃんの気持ちを落ち着かせる、眠りやすくさせる、指しゃぶりを防ぐ、鼻呼吸やお口周りの周囲筋の発達を促し、あごの成長を期待することで使用されています。


しかし、このおしゃぶりに関しては意見が分かれているのが現状です。


例えば世界保健機関(WHO)では「母乳育児を行っている乳児には、人工乳首やおしゃぶりの使用を避ける」ことを推奨しています。


一方、アメリカ小児科学会は「寝ている時の窒息防止のために乳児期におしゃぶりの使用を推奨」しています。


歯科での見解としては、0歳児にはメリットはありますが、1歳以降は歯並びに悪い影響を起こすことがあるだけでなく、1歳は言葉の発達のために大事な時期で口をふさぐおしゃぶりはあまり望ましいものではないため、早めにやめていくべきだと考えます。


この記事を書いた人



医療法人社団 統慧会 かわべ歯科 歯科衛生士スタッフ


小児矯正で口腔習癖の改善は、正しい顎の発育のために必要です。そのためにはお子様の持っている口腔習癖が何かを見つけ出す必要があります。私たちはカウンセリングシートだけでなく動画での撮影などの検査も行っております。


参考文献


①山口秀晴,大野粛英,橋本律子:はじめる・深めるMFT お口の筋トレ実践ガイド.株式会社デンタルダイヤモンド社,2016.


②大野粛英:指しゃぶり 基礎から指導の実際.わかば出版,2003.


③SIDS and Other Sleep-Related Infant Deaths:Updated 2016 Recommendations for a Safe Infant Sleeping Environment,Pediatrics,138(5),2016.





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