カロリーゼロの飲み物に入っている甘い成分ってどんなもの?歯やお口の中への影響は?(人工甘味料のお話前編)

更新日:9月12日

皆さんはカロリーゼロ飲料を飲んだことありますか?カロリーゼロ商品の中には「脂肪の吸収を抑える」など安全性や有効性などの科学的根拠から消費者庁の許可「特定保健用食品」通称トクホのマークがついていることもあります。


カロリーゼロ商品の中には「脂肪の吸収を抑える」など安全性や有効性などの科学的根拠から消費者庁の許可「特定保健用食品」通称トクホのマークがついていることがある。
特定保健用食品(トクホ)のマーク


トクホのマークやカロリー0と聞くと「健康にいいのかな?」と思う一方で、本やインターネットでは「実は健康に悪いのでは?」という記事も見かけるケースもあります。


地元の菊川市でどのくらいゼロカロリー飲料があるのかと探した際に、スーパーよりコンビニの方が0キロカロリー飲料の種類が多く、見やすい場所に陳列されていた傾向がありました。


これは若い方が飲む傾向が多く、飲むタイミングが夜〜深夜以降が多いからではないかと推測できます。(もちろん地域差もあると思いますのであくまでも感想です)


今回は「ゼロカロリー飲料に入っている成分」と、「ゼロカロリーでなぜ他の商品と同じような甘さを出せるのか」についてお話ししたいと思います。



1ゼロカロリー飲料は定番飲料と何が違うの?

それぞれ飲料メーカーでは「美味しいけれどもカロリーがやや高い」、もしくは「糖類が多い」というデメリットのある定番商品があり、そのデメリットを解消するための商品として、ゼロカロリー飲料ができたケースが多いと考えられます。


今回比較のために、同じメーカーの炭酸飲料A(定番)とB(低カロリー)の原材料表示を調べてみることにしました。原材料表示は配合量の多い順番で記載されます。


Aは砂糖などの糖類が1番多く、次いで炭酸、カラメル色素が入っています。
定番の炭酸飲料(A)

Bは最初に食物繊維がきてその後炭酸、カラメル色素がきます。肝心の甘味成分はどこかというと酸味料の後の甘味料が相当します。
ゼロカロリー炭酸飲料(B)

Aは砂糖などの糖類が1番多く、次いで炭酸、カラメル色素が入っています。


一方、Bは最初に食物繊維がきてその後炭酸、カラメル色素がきます。肝心の甘味成分はどこかというと酸味料の後の甘味料が相当します。


このAとBの異なる点として


①AとBでは内容量以外に食物繊維の有無と甘味成分の違いがあった。


②Aの原材料の中で糖類の配合量が一番多かった。


③Bは食物繊維の配合量が多く、甘味料の配合量は少なかった。


④Bの甘み成分は4種類入っていた。(Aは2種類)


が挙げられます。


食物繊維についてはトウモロコシ由来の難消化性デキストリンとよばれる食後の血糖値の上昇を抑える働きがあり、この成分がトクホに関与しているといわれています。


そして甘み成分ですがBの原材料表示に記載されている4種類とも人工甘味料とよばれています。ここからは人工甘味料について説明します。


2人工甘味料ってなに?


人工甘味料は合成甘味料ともいわれ、化学合成によってつくられる、食品衛生法に基づく指定添加物です。


少量で砂糖の数百倍以上の甘みがでるのでカロリーが抑えられ、「0カロリー飲料」や「ノンカロリー」、「カロリーフリー」など低カロリー甘味料として使用されます。


また、むし歯原因菌が人工甘味料を代謝できないため、むし歯の原因にはなりません。



3人工甘味料は商品表示にどのように書かれているの?


人工甘味料はアスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、サッカリン ネオテームがあります。商品表示にはこの名前が記載されています。


この中で古いのがサッカリンで1878年アメリカ合衆国の大学でコールタールの研究中に偶然発見したのがはじまりです。比較的新しいものがネオテーム(2002 アメリカ合衆国)です。


ちなみにステビアという甘味料を昔のスポーツドリンク等で聞いた方もいると思いますが、ステビアは天然甘味料です。


①アスパルテーム


アスパルテームは砂糖と比較して甘味度は200倍あり、炭酸飲料やガム、医薬品の苦味を抑えるためにも幅広く使用されています。人工甘味料の中でも比較的多く使用されています。


②スクラロース


スクラロースは砂糖の600倍ほど甘味度があります。


砂糖に近い味があり後味が良く、加熱しても安定していることから、飲料や菓子、パンなどに使用されています。人工甘味料の中では重量単価が高い甘味料です。


アスパルテームやスクラロースはキシリトールと同じ特定保健用食品(通称トクホ)に使用される甘味料です。


③アセスルファムK

アセスルファムKのKはカリウムという意味です。甘味が早く出てすっきりとしていることが特徴です。


濃度が高くなると少し苦味があるため他の合成甘味料と組み合わせることが多いです。熱や酸に強い性質もあり飲料(健康飲料も含む)や菓子に使用されています。


カロリーは0kcal、甘味度は砂糖の200倍です。


④サッカリン


サッカリンは砂糖の350倍の甘味度がありますがカロリーは0kcalです。一度発がん性の疑いで販売が禁止されましたが、見直しの結果、発がん性リストから削除され現在では再認可されています。


⑤ネオテーム


ネオテームはアミノ酸由来の合成甘味料で、砂糖の7000〜13000倍と他の人工甘味料よりもとても高い甘味度を持っているのが特徴です。同じアミノ酸由来のアスパルテームの「ネオ」(新しい)という位置付けです。

13000倍と聞くと驚きですが、この甘さを超えた14000〜48000倍の甘さをもつアドバンテームという人工甘味料が2014年日本で認可を受けています。



農林水産省による人工甘味料の輸入量
農林水産省砂糖および異性化糖の需給見通しよりグラフの表記を一部改変


(この続きは次回掲載します)



この記事を書いた人


静岡県菊川市のかわべ歯科院長兼理事長で歯科医師の川邉滋次です。

医療法人社団 統慧会 かわべ歯科 理事長 川邉滋次


参考文献


①藤田 孝輝. 甘味料としての糖類Sugars as Sweeteners.日本調理科学会誌2020; 53(2): 147-152.


②吉田 昊哲, 花田 信弘, 藤原 卓, 眞木吉信, 奥 猛志. ゼロからわかる 小児う蝕予防の最前線.クインテッセンス出版 2018.

③農林水産省.令和2砂糖年度における砂糖および異性化糖の需給見通し(第2回).2020.