子どもは歯のホワイトニングできる?ウェブサイトの個人輸入のホワイトニング剤は安全?(ホワイトニングのお話その2)

前回のブログではホワイトニングが歯を漂白できる理由と、ホワイトニングの種類と特徴、ホワイトニング後の色は再度ホワイトニングまたはクリーニングでメインテナンスしていく必要があることを説明させていただきました。


今回は第2弾としてホワイトニングはしみる理由や、歯科とエステサロンのホワイトニングの違い、ウェブサイトの個人輸入ホワイトニング剤の見解をお話していきます。

前回のブログホワイトニングのお話その1はこちら


4ホワイトニングはしみることがあるというのは本当?


ホワイトニングを行うと歯がしみるといった知覚過敏の症状が出る場合があります。ホワイトニング剤の濃度の高い薬剤を使用した場合や、歯のエナメル質とよばれる部分の厚みがうすい場合、歯にむし歯や亀裂、歯の根の露出などがある場合に発生しやすくなります。


また歯周病が進行した状態でのホワイトニングは、近くに炎症した歯ぐきが存在すると薬剤が歯ぐきに反応してしまい、歯への薬効を失ってしまうだけではなく、反応した歯ぐきが急激に下がり強い知覚過敏になるケースもあります。つまり歯周病が進んでいる方へのホワイトニングは百害あって一利なしといえます。


ホワイトニングのしみる対処法として以下の3つ方法があります。


①様子を見る・痛み止めの薬を飲む


ホワイトニング後の知覚過敏はホームホワイトニングなら4時間、オフィスホワイトニングであれば24時間以内に消える傾向があるため、様子をみるか、痛み止めの薬を飲むことが初期の対処法です。


②ホワイトニングの頻度を減らす、未然に防ぐ処置をする


ホームホワイトニングは毎日行えるものがほとんどですが、しみる場合には2日に1回にするなど今回のホワイトニングと次回のホワイトニングとの間を空けることも有効です。


また亀裂の入っている部位には薬剤をつけない、むし歯や歯周病の治療を行い完治してからホワイトニングを行うことで、しみることを未然に防ぐことができます。


③再石灰化を促す


知覚過敏抑制ジェル、フッ化物配合ジェル、牛乳由来タンパク質配合ペーストを塗って再石灰化(溶けてしまった歯のミネラル成分の回復)を行い歯をしみにくくさせる方法があります。



5妊娠中や授乳中・子どもはホワイトニングできるの?


オフィスホワイトニングやホームホワイトニングは、「過酸化水素」「過酸化尿素」とよばれる劇薬を使用します。この過酸化物が妊娠中の胎児へどのような影響するかわからない状態です。


これらの薬剤が入っている多くのホワイトニング剤には、妊娠中や授乳中には使用しない旨が記載されています。そのため妊娠中や授乳中のホワイトニングは行わない方が良いと考えられます。


子どもの場合、歯の根が未完成の状態で薬剤がどのような影響を起こすかわからないため、第2大臼歯とよばれる歯の根が完成する前にホワイトニングを行うことはできません。


子どもの場合、歯の根が未完成の状態で薬剤がどのような影響を起こすかわからないため、第2大臼歯とよばれる歯の根が完成する前にホワイトニングを行うことはできません。
第2大臼歯 ちなみに親知らずは第三大臼歯です

※第2大臼歯が生えてくるのは12〜13歳頃ですが、歯の根が完成するのは14歳〜16歳のため実質17歳以上が適応となります。


第2大臼歯が生えてくるのは12〜13歳頃ですが、歯の根が完成するのは14歳〜16歳のため実質17歳以上が適応となります。
歯の模型歯が生えてから根が完成するまで2年ほどかかる


6歯科医院とエステサロンのホワイトニングの違いは?


オフィスホワイトニングやホームホワイトニングの材料に使用される「過酸化水素」や「過酸化尿素」を扱うには、日本の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」により医師や歯科医師の免許が必要です。この「過酸化水素」や「過酸化尿素」は歯の外部分だけでなく内部にも効果を発揮し漂白する効果をもちます。


エステサロンやセルフホワイトニングでは、医薬部外品・化粧品の材料を使用して歯の着色やくすみを取りますが、漂白効果はありません。歯についた着色をとるので少しは白くなりますが、繰り返し行ってもそれ以上は白くなる可能性は低くなります。



7安いホワイトニング剤を求めて個人輸入サイトで買うことををおすすめできない理由


歯科医院で行うオフィスホワイトニングは、歯に薬剤を塗る前に「ダム」とよばれるプラスチックで歯ぐきを保護します。オフィスホワイトニングで使用する薬剤の濃度が高く、万が一歯ぐきに付着すると、白くただれてしまい痛みが続いてしまう恐れを回避するためです。

歯科医院で行うオフィスホワイトニングは、歯に薬剤を塗る前に「ダム」とよばれるプラスチックで歯ぐきを保護します。オフィスホワイトニングで使用する薬剤の濃度が高く、万が一歯ぐきに付着すると、白くただれてしまい痛みが続いてしまう恐れを回避するためです。
ホワイトニング前に歯ぐきを守る「ダム(青)」を作る

歯科医院で処方するホームホワイトニングは、患者さんが簡単に使用できることを目的にしているため、歯ぐきに付着しても、問題が少ない濃度に調整されています。そのため技術の必要なダムを作る必要なく、安心してホワイトニングができるようになっています。


ウェブの普及によって個人が通販サイトで輸入という形でホームホワイトニング剤を安価で購入できるようになっています。しかし個人輸入のホームホワイトニング剤は、濃度が高い場合も多く、中にはオフィスホワイトニング用のホワイトニング剤だったということもあります。


欧米と比較してエナメル質のうすい日本人には強すぎてしまい、使用して歯ぐきが荒れてしまい、痛みが続いた、歯のしみる感じが続いたという報告もあります。


安全のためにも歯科医院でお口の中を診査してもらい処方されたホームホワイトニング剤を使用してください。



まとめ


①妊娠中や授乳中、子どものホワイトニングは安全面から行わない。


②歯科医院でのホワイトニングとエステサロンでのホワイトニングは薬剤などが異なるので、よく内容を理解していただいてから選ぶ。


③ウェブの普及で通販で海外のホワイトニング剤を購入するケースがあるが、薬剤のトラブルや歯がホワイトニングに対応できるかが不明なためおすすめできない。歯科医院で診査して処方した方が安全にホワイトニングが可能。


この記事を書いた人


静岡県菊川市のかわべ歯科院長兼理事長で歯科医師の川邉滋次です。

医療法人社団 統慧会 かわべ歯科 理事長 川邉滋次



参考文献


近藤 惇,金子 潤.ホームホワイトニングにおける副作用発現状況の検討 知覚過敏症状および歯肉疼痛について.明倫短期大学紀要 ;14 :37−42. 2011.


②宮崎真至, 高見澤俊樹.ホワイトニング中の患者さんに「しみる」と言われたら.歯界展望 18:42 -426, 2011.

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