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ホワイトニングについての疑問に歯科医師がお応えします

更新日:2月22日

はじめに


ホワイトニングの疑問

白い歯って憧れますよね。白い歯は、美しさや清潔感を印象づけるために、多くの人が憧れます。ホワイトニングは歯の表面に付着した汚れや着色物質を取り除いて、漂白していく治療法です。今回はホワイトニングに関する疑問についてお答えします。


目次▼


 

ホワイトニングの漂白には限界がある


歯科のホワイトニングは、薬品を使用して歯の色を改善する医療行為です。着色の原因物質を取り除いて無色にすることで漂白を行います。しかし、ホワイトニングには限界があり、繰り返し行っても、不自然な色になることはないですが、純白までは達成できません。


以前に治療したつめものやかぶせ物にホワイトニング剤を塗っても漂白されることは難しく、つめものの部分やかぶせ物の色が残され目立ってしまうため、ホワイトニング後はつめ直しなどで色を整える必要があります。
前歯は白い樹脂の詰め物が多くホワイトニングで色が残るため、事前診査は必要です。

また、かぶせ物や詰め物にはホワイトニング剤を塗っても、漂白がうまくいかず、色が不自然になってしまうことがあります。その場合は、色を整えるために、ホワイトニング後にかぶせ物や詰め物をやり直すことがあります。


自分に合ったものを選ぼう!ホワイトニングの方法4種


1. オフィスホワイトニング


歯科医院の診療室で行うホワイトニングでオフィスホワイトニングは薬剤と専用のライトを使用して行われます。
オフィスホワイトニング用ライト

オフィスホワイトニングライトその2
オフィスホワイトニングライトその2


歯科医院の診療室で行うホワイトニングです。過酸化水素が入ったホワイトニング剤と専用のライトを使用して行われます。


(メリット)


・短期間で歯の漂白ができる


・歯科医院で行うためトラブルが起きにくい


(デメリット)


・痛みやしみる感覚を起こすことがある


・後戻りしやすい


2. ホームホワイトニング


ホームホワイトニングは歯科医院で型取りを行いマウスピースの中に低濃度のホワイトニング剤が入ったジェルを塗り歯にはめてゆっくり漂白する方法です。 メリットとして「歯の裏側にも薬剤が行きわたるため、神経がない歯の変色などに幅広く対応できる。 」「自宅で好きな時間にホワイトニングができる」  「ホワイトニング後の後戻りが比較的ゆっくり」「知覚過敏になりにくい 」 。デメリットとしてホワイトニングが1回で完了するのではなく期間が必要です。
ホームホワイトニングのトレー この中に薬剤を入れます

歯科医院で型取りを行い、マウスピースの中にホワイトニングジェルを入れ、歯に装着してゆっくり漂白する方法です。


現在、マウスピースの型取りを必要としないホームホワイトニングも登場しました。そのため、思い立った日から家でホワイトニングを行うことも可能になりました。


型取りが必要ないホームホワイトニング
型取りが必要ないホームホワイトニング

(メリット)


・歯の裏側にも薬剤が行きわたるため、神経がない歯の変色などに幅広く対応できる


・自分の好きな時間にホワイトニングができる


・ホワイトニング後の後戻りが比較的ゆっくり


・知覚過敏になりにくい


(デメリット)


・ホワイトニングが1回で完了するのではなく期間が必要


3. デュアルホワイトニング


短期間に漂白効果をだす「オフィスホワイトニング」と、じっくり漂白を行い、後戻りを少なくする「ホームホワイトニング」を併用した方法です。それぞれの長所が生かされる方法です。


4. ウォーキングブリーチ


歯の神経を抜くと長い間に少しずつ黒ずみ、変色していくことがあります。ウォーキングブリーチは変色した歯の内部に薬剤を入れる、1本を対象にしたホワイトニング方法です。


このウォーキングブリーチを行うには薬がもれないよう、先に根の治療をしっかり行うこと、ふたの部分を緊密にしておくことが必要です。


ホワイトニングした歯は色が維持できるの?


ホワイトニングした歯は、白い食器に例えることができます。着色した食器を漂白して白くしても、お茶やコーヒー、紅茶などを飲む回数が多い場合は、また着色してきます。


ホワイトニングした歯も同様です。飲食を繰り返していくうちに色がついてきます。

これを後戻りといいます。そのため、ホワイトニング後も定期的に再度漂白すること(タッチアップ)が必要です。


このタッチアップは3ヶ月に1回といわれていますが、自宅で行うホームホワイトニングと歯科医院で行うオフィスホワイトニングが選択できます。


また、毎回しっかり洗った食器は着色しにくいように、定期的な歯科医院でのクリーニングを行った歯は後戻りが少ないため、白さをより長く保つことができると考えられます。


「ホワイトニングはしみる」というのは本当?


ホワイトニング時に、歯がしみるといった知覚過敏の症状が出る場合があります。ホワイトニング剤の濃度の高い薬剤を使用した場合や、歯のエナメル質とよばれる部分の厚みがうすい場合、歯にむし歯や亀裂、歯の根の露出などがある場合に発生しやすくなります。


また歯周病が進行した状態でのホワイトニングは、近くに炎症した歯ぐきが存在すると薬剤が歯ぐきに反応してしまい、歯への薬効を失ってしまうだけではなく、反応した歯ぐきが急激に下がり強い知覚過敏になるケースもあります。つまり歯周病が進んでいる方へのホワイトニングは百害あって一利なしといえます。


ホワイトニングのしみる対処法として以下の3つ方法があります。


1. 様子を見る・痛み止めの薬を飲む


ホワイトニング後の知覚過敏はホームホワイトニングなら4時間、オフィスホワイトニングであれば24時間以内に消える傾向があるため、様子をみるか、痛み止めの薬を飲むことが初期の対処法です。


2. ホワイトニングの頻度を減らす・未然に防ぐ処置をする


ホームホワイトニングは毎日行えるものがほとんどですが、しみる場合には2日に1回にするなど今回のホワイトニングと次回のホワイトニングとの間を空けることも有効です。


また亀裂の入っている部位には薬剤をつけない、むし歯や歯周病の治療を行い完治してからホワイトニングを行うことで、しみることを未然に防ぐことができます。


3. 再石灰化を促す


知覚過敏抑制ジェル、フッ化物配合ジェル、牛乳由来タンパク質配合ペーストを塗って再石灰化(溶けてしまった歯のミネラル成分の回復)を行い歯をしみにくくさせる方法があります。


妊娠中や授乳中・子どもはホワイトニングできるの?


オフィスホワイトニングやホームホワイトニングは、「過酸化水素」「過酸化尿素」とよばれる劇薬を使用します。この過酸化物が妊娠中の胎児へどのような影響するかわからない状態です。


これらの薬剤が入っている多くのホワイトニング剤には、妊娠中や授乳中には使用しない旨が記載されています。そのため妊娠中や授乳中のホワイトニングは行わない方が良いと考えられます。


子どもの場合、歯の根が未完成の状態で薬剤がどのような影響を起こすかわからないため、第2大臼歯とよばれる歯の根が完成する前にホワイトニングを行うことはできません。


子どもの場合、歯の根が未完成の状態で薬剤がどのような影響を起こすかわからないため、第2大臼歯とよばれる歯の根が完成する前にホワイトニングを行うことはできません。
第2大臼歯 ちなみに親知らずは第三大臼歯です

※第2大臼歯が生えてくるのは12〜13歳頃ですが、歯の根が完成するのは14歳〜16歳のため実質17歳以上が適応となります。


第2大臼歯が生えてくるのは12〜13歳頃ですが、歯の根が完成するのは14歳〜16歳のため実質17歳以上が適応となります。
歯の模型歯が生えてから根が完成するまで2年ほどかかる

歯科医院とエステサロンのホワイトニングの違いは?


オフィスホワイトニングやホームホワイトニングの材料に使用される「過酸化水素」や「過酸化尿素」を扱うには、日本の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」により医師や歯科医師の免許が必要です。この「過酸化水素」や「過酸化尿素」は歯の外部分だけでなく内部にも効果を発揮し漂白する効果をもちます。


エステサロンやセルフホワイトニングでは、医薬部外品・化粧品の材料を使用して歯の着色やくすみを取りますが、漂白効果はありません。歯についた着色をとるので少しは白くなりますが、繰り返し行ってもそれ以上は白くなる可能性は低くなります。


安いホワイトニング剤を求めて個人輸入サイトで買うことををおすすめできない理由


歯科医院で行うオフィスホワイトニングは、歯に薬剤を塗る前に「ダム」とよばれるプラスチックで歯ぐきを保護します。オフィスホワイトニングで使用する薬剤の濃度が高く、万が一歯ぐきに付着すると、白くただれてしまい痛みが続いてしまう恐れを回避するためです。


歯科医院で行うオフィスホワイトニングは、歯に薬剤を塗る前に「ダム」とよばれるプラスチックで歯ぐきを保護します。オフィスホワイトニングで使用する薬剤の濃度が高く、万が一歯ぐきに付着すると、白くただれてしまい痛みが続いてしまう恐れを回避するためです。
ホワイトニング前に歯ぐきを守る「ダム(青)」を作る

歯科医院で処方するホームホワイトニングは、患者さんが簡単に使用できることを目的にしているため、歯ぐきに付着しても、問題が少ない濃度に調整されています。そのため技術の必要なダムを作る必要なく、安心してホワイトニングができるようになっています。


ウェブの普及によって個人が通販サイトで輸入という形でホームホワイトニング剤を安価で購入できるようになっています。しかし個人輸入のホームホワイトニング剤は、濃度が高い場合も多く、中にはオフィスホワイトニング用のホワイトニング剤だったということもあります。


欧米と比較してエナメル質のうすい日本人には強すぎてしまい、使用して歯ぐきが荒れてしまい、痛みが続いた、歯のしみる感じが続いたという報告もあります。


安全のためにも歯科医院でお口の中を診査してもらい処方されたホームホワイトニング剤を使用してください。


 

まとめ


1. ホワイトニングは薬剤を使用して歯を漂白する医療行為


2. ホワイトニングする歯に詰め物がある場合色が残されてしまうことがある


3. ホワイトニングにはオフィスホワイトニング・ホームホワイトニング・デュアルホワイトニング・ウォーキングブリーチがありそれぞれメリットデメリットがあるため用途に応じて分けることがおすすめ


4. ホワイトニング後も時間が経てば再度着色はしてしまうため、定期的にホワイトニングやクリーニングを行う必要がある。


5. 妊娠中や授乳中、子どものホワイトニングは安全面から行わない。


6. 歯科医院でのホワイトニングとエステサロンでのホワイトニングは薬剤などが異なるので、よく内容を理解していただいてから選ぶ。


7. ウェブの普及で通販で海外のホワイトニング剤を購入するケースがあるが、薬剤のトラブルや歯がホワイトニングに対応できるかが不明なためおすすめできない。


 

この記事を書いた人


静岡県菊川市のかわべ歯科院長兼理事長で歯科医師の川邉滋次です。

医療法人社団 統慧会 かわべ歯科 理事長 川邉滋次


ホワイトニングのあまり知られていない効果として「殺菌」と「歯の強化」があります。

ホワイトニング剤の主成分である過酸化水素は消毒薬と同じ成分が含まれており、むし歯菌や歯周病菌に対して殺菌作用があります。またホワイトニング後の歯はフッ化物が浸透しやすいため、むし歯の予防効果につながります。


 

参考文献


1. 大前正範 他. ホワイトニング前後における歯質への着色量の変化に関する研究. 日歯保存誌; 50 : 675-680, 2007.


2. 相馬 親良. 歯のホワイトニングと外来性色素による後戻り現象に関する実験的研究. 奥羽大学歯学誌. 30(4), 289-302. 2003.


3. 近藤 惇,金子 潤.ホームホワイトニングにおける副作用発現状況の検討 知覚過敏症状および歯肉疼痛について.明倫短期大学紀要 ;14 :37−42. 2011.


4. 宮崎真至, 高見澤俊樹.ホワイトニング中の患者さんに「しみる」と言われたら.歯界展望 18:42 -426, 2011.

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