早食いと食事が遅いことには共通点があります(歯科の立場からみた食事指導)

家族や友人と食事をした際に「この人食べるの早いな」「結構ゆっくり食べるな」と思った事はありますか?もちろん同じ食事、同じ量でも食べるスピードには個人差がありますが、早すぎたり遅すぎたりすると気になってしまうこともあります。


自分自身がそのような立場であれば、「ゆっくり食べているつもりなんだけど」「早く食べようと頑張っているんだけど」と、早食いや食事が遅いことを指摘されて悩んでいる方もいるのではないかと思います。


今回は早食い、食事が遅いを歯科の観点からお話しさせていただき、悩んでいる方へ少しでも助力になったらと考えています。


 

1早食いとは?当てはまる項目はありますか?


早食いは以下のような傾向がみられます。


①食事が早すぎる

②ほとんどかまずに丸呑みしてしまう

③食べ過ぎてしまう

④食べ物を飲み物で流しこんでいる

⑤口の中に食べ物があるのに次の食べ物を食べようとする


 

2食事が遅いとは?当てはまる項目はありますか?


食事が遅い人にはこのような傾向がみられます。


①食べ物を口の中に入れたあといつまでもかみ続けている

②なかなか飲み込めない

③他の献立に移ることができない


 

3「早食い」と「食事が遅い」は正反対にみえますが原因に共通点があります。


①かむための歯の環境の問題


歯が生えてきていない、歯の本数が足りない、歯並びや咬み合わせの異常、むし歯で歯が欠けた、痛いなどが原因で十分に食べ物をかむことができない、かみづらいことがあります。


そのため途中であきらめてしまい飲み込んでしまえば早食いのクセがつきやすくなり、うまくいかない中で頑張って最後まで遂行すれば食べることが遅くなってしまいます。


早食いはお口周りの筋肉を使用する回数が少なくなるためさらに早食いを助長させてしまう恐れもあります。



②お口周りの筋肉の力や機能の問題


食事を食べるためには取り込む・食べ物をまとめ固める・食べ物の塊を喉の奥に送る動作が必要です。その際に舌やほほ、唇の筋肉が運動します。



お口周りの筋力の発達が進んでいないために、かんだはずの食べ物が粉砕されていない、舌やほほで上下の歯の間に食べ物を誘導できない、食べ物と唾液を混ぜて食べ物の塊を作ることができないために、かむ時間が短すぎたり、長すぎたりしてしまいます。


③食べる物の形や大きさの問題


子どもの口の発達に合わない形態の食べ物を食事として提供していると、かむことをあきらめてしまい丸呑みをしてしまう、食べづらく時間がかかってしまう傾向になり、早食いや食事の遅いにつながってしまいます。


また細かすぎてしまう、軟らかい食べ物に偏ってしまうのも丸呑みしやすくなる、軟らかい食事以外で苦戦してしまうことがあります。


 

4「早食い」「食事が遅い」の共通する原因を解決するためには?


①かむための歯の環境の問題への対応策


食べ物をかめるためにお口の中が十分な環境が整っているかを確認するためにも歯科医院での定期的な来院は必要と考えられます。特にむし歯は発生・進行しないように管理してもらいましょう。歯が何らかの原因で生えてこない、歯並びやかみ合わせの異常については外科治療や歯科矯正治療が必要になります。


②お口周りの筋肉の力や機能の問題への対応策


推奨されるかむ回数は一口につき30回です。食事の歳に飲み物を近くに置かない、保護者の方が一緒に食事を行いよくかんで食べるお手本になる、「よくかんで食べてね」など食事の際に声かけを継続してもらうことが必要です。毎日かむ回数を少しみてあげて「今日は○○回かめたね」と伝える、回数を記録していくことも良い方法と考えられます。


歯科医院では一定の間隔で歯科医師や歯科衛生士に口腔機能訓練を行ってもらいお口周りの筋力を鍛えていく方法があります。食事中にムセやのどのつまりがある場合は小児科医と連携をとって治療を行なっていく場合があります。


③食べる物の形や大きさの問題


「しっかりかめる食事をしましょう」と聞くとついつい硬い食べ物を想像しがちになってしまいます。硬いものだけを食べることが良いのではありません、かむ回数を増やすことが大切です。


食材の選び方や調理法のポイントはかむ回数を増やせるものです。そのためには

A大きく切る

B歯ごたえを残す

C食材の組み合わせ

の3点に気をつけてみましょう。


A大きく切る


包丁で食材を切る回数を減らして大きな食材で料理をしましょう。大きくすることで前歯を使ってかみきり、奥歯ですりつぶして歯をしっかり使うことができます。


B歯ごたえを残す


かむ量や回数は、同じ食べ物でも調理法によって変化します。とろける食感の料理は魅力的ですが、歯ごたえのある食事もメニューに加えてみましょう。特に子どもが好きな食べ物はは食べやすい傾向があるために、かむ回数が少なくなりがちです。口をたくさん動かせるような食事を選んでください。


C食材の組み合わせ


食材にちょい足しをして、かむ回数を変化させることもできます。例えば、納豆にちりめんジャコや高菜、たくあんを加えたり、白米に雑穀や玄米を加えるなど工夫を加えることでかむ回数を増やすことが可能です。


 

この記事を書いた人


静岡県菊川市のかわべ歯科院長兼理事長で歯科医師の川邉滋次です。

医療法人社団 統慧会 かわべ歯科 理事長 川邉滋次


永久歯の前歯は6歳前後で生えてきます。実は前歯は生えたての状態では先端部分がギザギザした形になっています。このギザギザは使っているうちにすり減って2〜3年で消えていきます。


そのため10歳以降になってもこのギザギザが消えていない場合は前歯がうまく使えてない、または前歯同士の接触がないかみ合わせ(開咬)になっている恐れがあります。その場合は、前歯を使って食事をかむようにしていきましょう。


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