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永久歯が生えてくるのが遅い場合は?(知っておきたい歯の生え変わり時期)

更新日:2月16日

乳歯から永久歯への歯の生え変わり時期は個人差がとても大きいです。小学校で同じ学年でも永久歯が何本も生え変わっているお子さんもいれば、乳歯列の子もいます。


これ自体は異常ではなく個性と考えていただければ良いですが、中には「生え変わりが順調だったのに特定の永久歯だけまだ生えてこない」「乳歯が抜けたのにその後何ヶ月も永久歯が見えてこない」など永久歯が生えてこないと、仕上げ磨きなどで毎日見ている親御さんも心配になってしまうと思います。


歯の生え変わりの異常に関するチェック項目として「歯の生え変わる時期の目安」「歯の生えてくる順番」「左右反対側の同じ歯との生える時期の違い」の3つが挙げられます。


今回はそのような「歯の生え変わり」に関して、3つのチェック項目と原因・対策についてまとめてみました。


▼目次

まずは歯の生え変わる時期の目安をチェック

永久歯の生えてくる順番は個人差がある

左右反対側の同じ歯との生える時期の違いも参考に!

学校検診で永久歯の遅れなどは意外とみつかりにくい

歯が生えてこない・遅れの原因と対応

まとめ

参考文献


 

まずは歯の生え変わる時期の目安をチェック


歯の生え変わりの時期にも目安があります。もちろん全体的に生え変わりが遅いお子様もいますので目安から遅れていても異常があまり見られないケースもありますので1つの参考として考えていただけたら幸いです。


(乳歯の場合)


乳歯は下の中央部分前歯(A)から生え始めます。生えてくる時期に遅れがある場合、成長スピードが遅いのか、他の歯にぶつかって生えてこれないのかを判断していきます。生えてくるのが遅いだけではなく、乳歯の本数が少ないため存在していなかったケースもあります。


(永久歯の場合)


乳歯と比較すると、永久歯は生えてくる年齢の幅が広く、後から生えてくる歯はさらに期間のバラつきが大きくなる傾向があります。他にも乳歯と比べて「埋もれてしまったまま出てこない(埋伏)」「生えてくる場所や方向が違う」などの問題も多いです。



永久歯の生えてくる順番は個人差がある


乳歯は生えてくる順番が上下ともA→B→D→C→Eとなっておりこの順序が入れ替わることはまれです。しかし永久歯の場合生えてくる順番には個人差があります。


歯の生え変わり時期

そのためお口の中の診査だけでは生えてくる順序を予想することが難しく、確認するためにもレントゲン撮影が大切です。


左右反対側の同じ歯との生える時期の違いも参考に!


先天性欠損(永久歯の本数が足りない)がなければ、親知らずを除いて歯は左右対象に2本ずつ存在します。


この際、片方の歯が生えてきてから反対側の歯が12ヶ月以上遅れている場合は、何かしらの異常があると疑われます。


ただ、12ヶ月も待つと対応の難易度が上がることもあるため、できれば4ヶ月以上程で相談していただくことをおすすめします。


学校検診で永久歯の遅れなどは意外とみつかりにくい


子どもの乳歯・永久歯の萌出異常は対応する時期が遅くなってしまうと、治療が難しくなる傾向があります。


子どもたちが毎年受ける学校検診(保育園や幼稚園の検診も含む)で萌出異常もみてくれていると思われがちですが、レントゲン撮影もない状態での短時間の検診では限界があります。


小学校歯科検診

検診で歯科医師が萌出異常を疑ったとしても記入欄が「歯列・咬合の問題」または「その他」として扱われるため、健康診断のお知らせを見ただけでは詳細がわからず保護者の方に伝わりづらいことも原因です。


特にこれから生えてくる歯は対応する時期が大切です。そのため少しでも「生えてくるのが遅いな」という違和感を感じた時は歯科医院で相談し、レントゲンを含めた検査をしていただくことをお勧めします。


永久歯が生えてこない・遅れの原因と対応


歯が生えてこない・遅い原因としては、「乳歯が重度のむし歯になっており根の先で病巣ができた」「過去に乳歯をぶつけてしまったことがあり亀裂が入った部分から細菌が侵入して病巣ができた」「生え変わる対象の乳歯が残り続けている」「過剰歯」「上唇小帯の付着異常(上唇から前歯の中央部分につながる筋)」などが挙げられます。

→過剰歯についての詳細はこちら


対策として乳歯や過剰歯が原因の場合は、精査の後その乳歯を抜歯します。永久歯が自力で生えてこれない場合には引っ張り出すような処置がとられる場合があります。


 

まとめ


1 . 「歯の生え変わる時期の目安」「歯の生えてくる順番」「左右反対側の同じ歯との生える時期の違い」が永久歯が生えてこない・遅れの参考となる


2. 生えてくるのが遅いという違和感を感じた時に早めに歯科医院で相談し、レントゲンを含めた検査することがお勧め。


3. 永久歯が自力で生えてこれない場合には引っ張り出すような処置がとられる場合がある。

 

この記事を書いた人


かわべ歯科院長 川邉滋次

医療法人社団 統慧会 かわべ歯科 理事長 川邉滋次


 

参考文献


1. 有田憲司, et al. "日本人小児における乳歯・永久歯の萌出時期に関する調査研究 II その 1. 乳歯について." 小児歯科学雑誌 57.1 (2019): 45-53.


2. 有田憲司, et al. "日本人小児における乳歯・永久歯の萌出時期に関する調査研究 II その 2. 永久歯について." 小児歯科学雑誌 57.3 (2019): 363-373.


3. Makino, Eiko, et al. "Difference in bilateral timing of eruption of permanent teeth." The Bulletin of Tokyo Dental College 59.4 (2018): 277-284.


4. 田口洋. "萌出障害の臨床 上顎中切歯と上顎犬歯." 小児歯科学雑誌 47.5 (2009): 673-682.



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