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生まれつき歯の数が多い場合はどうすればいいの?(歯ならびへの影響)

更新日:1月31日

はじめに


ヒトの歯は種類とその数が決まっていますが、「生まれつき歯の数が多い」「一定数より歯が多く存在する」状態を過剰歯(かじょうし)といいます。


歯の種類ごとの本数
歯の種類ごとの本数

一定数とは、上のあごでは前歯6本、小臼歯という歯が4本、大臼歯という歯が4本です。

この種類ごとの規定本数より多い歯が過剰歯となります。またこの本数より生まれつき少ない場合は先天性欠損歯といいます。

→欠損歯についての詳しい内容はこちら


過剰歯の原因については不明です。上あごの前歯の中心部分に出現することが多く、「正中過剰歯」や「正中歯」とよばれています。


過剰歯は「急に生えてきた」「レントゲン画像で映ってきた」など偶然発見されることが少なくありません。


今回は過剰歯の発生や影響、対策についてまとめてみました。ご参考にしていただけると幸いです。


▼目次

過剰歯はどのくらいの割合で発生するの?

過剰歯は自然に生えてくるの?

過剰歯は出てこなければ問題ないの?

過剰歯の有無を確認するためにはどうすればいいの?

まとめ

参考文献


 

過剰歯はどのくらいの割合で発生するの?


過剰歯の発生頻度は約3%です。女子よりも男子の方が過剰歯の確率は高いという報告があります。本数では過剰歯1本が約70%、2歯が約30%で3歯以上はまれです。


過剰歯の形は正常な歯に近いものから、細く小さい物まで様々です。中には円すい型もあるため、歯の形に近いとは限りません。


過剰歯は自然に生えてくるの?


過剰歯は生えてくるタイプと、あごの骨の中で埋もれ続けるタイプがあります。

過剰歯が生えてきた場合は、歯列に収まる可能性が少なく重なるなど歯並びやかみ合わせに影響するため、早めに抜歯することをおすすめします。


あごの骨に埋まっている場合、「歯の頭の部分がどの方向を向いているか」が自然に生えてくるかの判別となります。過剰歯の頭の部分が他の正常な歯と同じ向きであると「順生過剰歯」とよび、逆に遠ざかる向きならば「逆生過剰歯」といいます。


順生過剰歯の多くはそのまま生えてくることも多いため、生えてくるのを待って抜歯することが多いです。


逆生過剰歯の場合、自然に生えることは期待できません。時間の経過と共に鼻の方向へ深い位置に潜り込んでいく場合があり、遅れると抜歯が難しくなります。永久歯に悪い影響を与えてしまっている場合は口腔外科で抜歯することをお勧めします。


ただし、歯並びなどへの影響がなく、過剰歯が鼻部分に到達していない場合は抜歯せずに、経過を観察することもあります。


過剰歯は出てこなければ問題ないの?


ではあごの中に過剰歯が埋まっていれば問題ないのでしょうか?答えはNOです。あごの中に埋まったままの過剰歯は以下のような悪影響を及ぼすこともあります。


1. 近くの永久歯の進行方向に存在すると、「生えること」を妨害してしまう。


2. 過剰歯が近くの歯を傾け、押すことで、歯並びが悪くなりかみ合わせが悪くなる原因になる。


3. 歯と歯の間に過剰歯が存在すると、すき間ができてしまい閉じない場合がある。


4. 乳歯の根を吸収してしまい、早く乳歯が脱落してしまう。


5. 鼻の方向に過剰歯が移動し、鼻の中に生える場合がある。


6. 歯の周りからふくらんでしまうことがある。ブラッシングが難しい部分があると細菌によって感染を起こすことがある。


埋まった過剰歯は含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)とよばれる、埋まっている歯を巻き込んで大きくなっていく、袋の形をした病変を起こすことがあります。


小学生〜中学生の年齢でみられますが高齢者でもみられることがあります。


自覚症状がなくレントゲン写真を撮影して発見されることが多い病変です。

痛みが起こることはあまりなく、ゆっくりと大きくなっていきます。場合によっては細菌感染を起こすことがあり、腫れる場合があります。


このように、埋まっている過剰歯でも将来永久歯に影響を与えることがあるため、歯科医院で定期的にレントゲン撮影して位置や方向の変化を確認していくことが大切です。


過剰歯の有無を確認するためにはどうすればいいの?


過剰歯の存在の有無に関してはパノラマレントゲンとよばれる全体を撮影する方法で確認できる場合があります。


子どもの場合、特殊な場合を除いてパノラマレントゲンは保健適用外になります。またパノラマレントゲンは2次元での撮影のため永久歯と重なってしまった場合、過剰歯が発見しにくくなることがあります。


正確な方向や、他の歯に影響を与えているかを調べるためには、歯科用の3次元のレントゲン撮影をおすすめします。


 

まとめ


1. 本来の数よりも存在する歯のことを過剰歯という。


2. 過剰歯の発生頻度は約3%。


3. 過剰歯は生えてくるものとあごの骨の中に埋まり続けるものがある。


4. あごの骨の中に埋まっている過剰歯が悪影響を起こす場合がある。


5. 永久歯等に悪い影響を与えてしまっている過剰歯は抜歯した方が良い。


6. 過剰歯の有無や方向等を詳しく調べるには3次元のレントゲン撮影がおすすめ。

 

この記事を書いた人


静岡県菊川市のかわべ歯科院長兼理事長で歯科医師の川邉滋次です。

医療法人社団 統慧会 かわべ歯科 理事長 川邉滋次


過剰歯を取り除いた後、残った永久歯の位置を戻すために歯科矯正が必要な場合があります。


 


参考文献


①辻野啓一郎, 新谷誠康: 小児の歯数異常・萌出異常への対応. 歯科学報, 114(5): 425-427, 2014.


②宮島美樹, 櫻井敦朗ほか: 当科通院患者における上顎正中過剰歯の発生率と永久歯列への影響度に関する検討. 小児歯誌. 52(2): 347. 2014.


③辻野啓一郎,倉持真理子ほか: 高崎総合医療センター歯科口腔外科開設からの上顎正中過剰埋伏歯に関する臨床的検討. 群馬県歯科医会誌. 18:33-38. 2014.

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