正しい舌の位置は?(子どもの歯並びと歯科矯正の話1)

最終更新: 6月24日

こんにちは。菊川市でお子様の矯正を行っているかわべ歯科です。

突然ですが、あなたの舌は普段お口の中のどこにいますか?

この3つの画像の中にあるでしょうか?

この3つの中で1つだけ正解があります。



①は下顎に舌の先端があります。②は舌の先端が上あごにくっついています。③は舌の先端だけでなく中央部分まで上顎にくっついています。正解の舌の位置は後の項目で発表します。


舌の位置をクイズに出した理由は舌の位置が歯並びや歯科矯正に関係しているからです。

子どもの矯正では歯並びだけではなく、鼻呼吸や唇の形、舌の位置、飲み込み方、姿勢などをチェックしていきます。「歯並び以外になぜこのようなチェックが必要なの?」と聞かれることもありますが、歯並びが崩れるには「原因」があります。


その原因の1つとして考えられるのが先ほど述べた鼻・唇・舌・飲み込み方・姿勢に共通する「筋肉の間違った使い方による悪影響」です。これを環境因子といいます。(もちろん遺伝の可能性も考えられます)

今回は「舌」についてお話ししていきます。



1舌の正しい位置はどこでしょうか?


正解の正しい舌の位置は③でした。


③のように正しい舌の位置の人は常に上のあご(上の歯並びの内側)に収まっています。舌の先は上の前歯のやや後ろ、そして舌の本体は重力に逆らって上のあごにぴったりとついていることが理想です。


舌が③のように正しい位置についておらず、間違った位置にいつもいる人は口呼吸をしている、または歯並びが悪くなっている恐れがあります。間違った位置とは、①のように下顎にいる状態です。


舌は正しい位置に常に存在することで上あごの成長を支えてくれています。しかし間違った位置にいれば、上あごの成長が弱まるだけではなく、上下の歯に異常な力を与えて、歯並びに悪影響を及ぼすこともあります。



2舌をいつも正しい位置にするためには


常に舌を正しい位置に置くためは3つのステップがあります。


①舌を受け入れるだけの大きさを上あごに確保すること


舌が常に上あごに存在するために、まずは受け皿である上のあごの大きさが舌を無理なく入れることが可能なサイズになっている必要があります。上の歯並びの幅が極端に狭いと舌は自然に入ることができません。狭い歯並びの人は、舌が難なく上あごにスッと入るためにも矯正装置を使用して上の歯並びをある程度広げておきましょう。


②舌が上のあごにつけやすい環境をつくる


口呼吸のようにお口が常に開いた状態では、自然に上顎へ吸着できません。


意識すれば可能ですが、口が開いた状態で舌を上顎に長時間キープするのはとても困難です。舌と上顎の距離は口を開いた状態では長くなり、口を閉じた状態では短くなります。


やはり、口を閉じた方が舌を上げる労力が少なくなり、楽に上げることができますよね。

つまり、話をする時やご飯を食べる時以外は口をしっかり閉じた状態にすることが、舌を上あごに上げる環境づくりの第一歩です。


③舌の力をつける


舌を持ち上げる力は赤ん坊の時から培われます。この時期に簡単にミルクが出る柔らかい吸い口の哺乳瓶を使用すると、舌をあまり使わなくても飲めてしまいます。赤ちゃんの食事は毎日トレーニングの場です。舌の力が足りないと、舌を上にキープしておくことが難しくなってしまいます。


では幼児以降になってから舌の力を鍛えることは無理なのでしょうか?

答えはNOです。舌の力はいつからでもトレーニングで鍛えることが可能です。

小児期の歯並びや咬み合わせ異常の原因として口腔筋機能障害(お口周りの悪い癖など)があり、この対策として鼻・舌・飲み込み・唇のトレーニングがあります。

最近では高齢者のオーラルフレイル(口腔機能の衰え)対策の1つとして、歯科医院では舌の力を測定したり、MFT(口腔筋機能療法)の一部に舌のトレーニングがあります。


④舌の動きを制限する原因を除去する


舌を伸ばしたくても思うように伸びない子どもさんもいます。例えばべーと舌を出した時に舌の先端がハートのような形(ハート舌)になってしまう状態です。


この場合舌の裏の部分のスジが短い場合(舌小帯短縮症)があります。トレーニングで伸びてしまうこともありますが、トレーニングを重ねても改善しない場合は表面麻酔を塗ってレーザー等で切除する方法があります。



ただし、切除した後は早期に舌の挙上トレーニングを行わないとまた癒着する場合もありますので小児矯正を行う歯科医院にお問い合わせください。


この記事を書いた人



医療法人社団 統慧会 かわべ歯科 歯科衛生士スタッフ


当院では、私達が歯科医師の指導のもとお子様の歯並び矯正中もお口の中のクリーニングを行い、トレーニングの指導も行っております。


参考文献


①眞木吉信,萩名子:くちペディア.医歯薬出版株式会社,2020.


②山口秀晴,大野粛英,橋本律子:はじめる・深めるMFT お口の筋トレ実践ガイド.株式会社デンタルダイヤモンド社,2016.



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