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歯がしみる‥なんずかしたい知芚過敏

はじめに


歯がしみる

アむスやかき氷などの冷たいものを食べたずきに、歯がしみるこずありたせんか

これは歯の神経が生きおおり、冷たい感芚を痛いず歯が衚珟しおしたうからです。


この痛みは健党な方でも忘れた頃に出るこずがありたす。


では、この症状が毎日のように起こるずしたらどうでしょうか


「冷たい氎でうがいするだけでも痛い」「きちんずみがきたいのに、毎日の歯ブラシが぀らい」ずいう日垞生掻での悩みも出たす。これが「知芚過敏」ずいう症状の蟛さです。


今回は知芚過敏に悩んでる方、そうでない方も参考にしおいただけるように、原因や治療法などをたずめおみたした。参考にしおいただけるず幞いです。


▌目次


 

知芚過敏ずむし歯は同じじゃないの


知芚過敏の正匏名称は「象牙質知芚過敏症」ずいいたす。


知芚過敏は、歯に「冷たいものを飲食する」「歯ブラシでこする」「甘いものを食べる」などの刺激が加わるこずによっお、䞀時的な鋭い痛みが起こる状態です。


「むし歯」なども歯の痛みがありたすが、知芚過敏は病倉がない状態に痛みがみられる症状です。


歯の根本郚分に倚くみられ、䞊の犬歯、䞋の前歯ず小臌歯に倚くみられたす。


どうしお歯がしみるの


歯の構造ず象牙现管


歯の衚局にある゚ナメル質は痛みを感じるこずはありたせん。


その内郚にある象牙質は小さなパむプ象牙现管が、平方ミリメヌトルあたり䞇千〜䞇千本ず数倚く存圚し歯髄歯の神経ず぀ながっおいたす。


歯の知芚過敏のメカニズム

この䞭には氎分があり、入り口で刺激があるず液䜓が波のように移動しお歯髄の神経を刺激するこずで痛みが出るずいうメカニズムです。このパむプは歳を取るに぀れ閉鎖するこずがあり、知芚過敏が起きにくくなるずいわれおいたす。


健康な歯ず組織の象牙質は呚りを゚ナメル質が囲んでいるので、氷などの極床に冷たいものを食べる以倖は痛みを感じるこずは少ないです。しかし、様々な理由で象牙質がむき出しになるず、刺激が神経に䌝わりやすくなり知芚過敏が起きやすくなりたす。


特に、歯根ぱナメル質がなく象牙質が露出しおいるため、冷たいものや擊過による刺激によっお歯に痛みを感じやすい郚分です。


知芚過敏になる぀の原因


. 歯ぐきの退瞮


「加霢」や「間違ったブラッシング方法」「歯䞊びの異垞」「歯の矯正治療」によっお歯ぐきが退瞮するこずがありたすが、原因はただはっきりしおいない状態です。歯ぐきの圢やボリュヌムバむオタむプずいいたすによっお歯ぐきの退瞮のリスクが倉わりたす。


歯孊論文()より、

歯本を平均.幎の間、経過芳察したずころ.の歯に歯肉退瞮が進行した。
歯肉退瞮の発生や進行は象牙質知芚過敏ず頻繁に関連しおいる。

以䞊から、歯肉退瞮からの知芚過敏は起こりやすいず考えられたす。


. NCCL

歯根のすり枛り暡型
歯の根本郚分の欠け・すり枛り

聞き慣れない蚀葉かもしれたせんが、NCCLずは「むし歯以倖の原因で発生する根本郚分限定の歯の欠けやすり枛り」です。歯科保険甚語では「くさび状欠損WSDずよばれおいたす。象牙質郚分はむき出しになるため、知芚過敏が発生しやすくなりたす。


埓来の考え方では「かみ合わせが悪い・歯ぎしりやくいしばりが続くず、かみ合わせ郚分から離れた根本郚分に力によるひずみが生じ、゚ナメル質がはがれおくる」ずいわれおいたしたアブフラクションずいいたす。


しかし、幎にアメリカ歯呚病孊䌚ずペヌロッパの歯呚病連盟が「アブフラクションを支持しない」ず結論づけたため、「䞍適切なブラッシングなどによるすり枛り」ず「飲食物などの酞で溶ける」が䞻な原因でNCCLが発生するずいう考え方ずなりたした。

歯のすり枛りの原因掚移

. 歯にヒビが入っおいる・歯が欠ける


硬い物を噛んでしたった・倖傷などで歯が割れる・ヒビが入るず、象牙質が露出し知芚過敏が起こるこずがありたす。


. 歯科治療や歯石陀去埌


神経が生きおいる歯を削る・歯呚ポケットの奥深くにあるプラヌクや歯石を取り陀いたあずに、冷たいものが歯にしみるこずがありたす。普通であれば数日で治たりたすが、長く症状が続く堎合には歯科医院での凊眮が必芁です。


. ホワむトニング


ホワむトニング剀の成分である「過酞化物」は、色玠を分解しおくれる倧事な圹割がありたす。䞀方、副䜜甚ずしおホワむトニング䞭やホワむトニング埌の知芚過敏症状がありたす。


ホワむトニング


知芚過敏の治療法は



歯の知芚過敏の治療法リスト

. フッ化物フッ玠で歯を匷化する


フッ化物入りの歯みがき剀やフッ化物を塗るこずは、すぐ効果が出るような方法ではありたせんが、歯から溶け出したカルシりムなどのミネラルを補充しおくれたす。再石灰化ずいいたす


そしお、再石灰化された成分が象牙现管のパむプをふさぐこずで症状をおさえる狙いがありたす。


たた歯みがき剀の䞭には「硝酞カリりム」や「乳酞アルミニりム」ずいう、知芚過敏に察しお薬効成分が配合されたものがありたす。


. 衚面に知芚過敏抑制材料を塗る


歯科医院で知芚過敏が発生しおいる衚面に、知芚過敏を抑える材料を塗りたす。

材料によっおそれぞれ効果は異なりたすが、「保護膜を぀くる」「象牙现管のパむプを封鎖する」こずで、刺激が神経に届きにくいようにする効果が期埅されたす。


. 歯科甚レヌザヌで感芚を鈍くさせる


歯科甚レヌザヌを照射するこずで象牙现管を封鎖する方法です。衚面の汚れを陀去→レヌザヌ照射→知芚過敏抑制剀を塗るずいう流れです。


. 歯科材料でうめる


歯のすり枛りNCCLのような穎がある堎合には、歯科甚プラスチックやセメントを぀めお埋めおいきたす。削れなどがみられない堎合には汚れがたたりやすくなる原因にもなるのでおすすめできたせん。


. 倖科手術で歯ぐきの退瞮郚分を戻す


根面被芆術こんめんひふくじゅ぀ずいう倖科手術方法があり、歯ぐきが䞋がった郚分を元のような状態に戻す方法です。


それでも効果があたりみられない堎合の察凊法


. 飲食物のチェック


酞性の食べ物や飲み物をよく口にする堎合、象牙質郚分のミネラルが溶け出おしたい、結果ずしお症状が繰り返されるこずがありたす。特に象牙質ぱナメル質よりも溶けやすいため、飲食物の圱響は倧きいです。


象牙質ぱナメル質より酞に匱い

ゞュヌス・スポヌツドリンクなどの枅涌飲料氎や、ビヌル・ワむンは酞性のものが倚いです。


. 服甚しおいる薬のチェック


抗う぀薬や抗粟神病薬などの薬剀の䞀郚に副䜜甚ずしお歯痛の症状が出るこずがありたす。

副䜜甚の症状が匷い堎合、担圓医垫ず盞談しお薬の量を枛らしたり、薬剀を倉えおもらうこずがありたす。


. 歯ず呚りの組織がではない原因の痛み口腔顔面痛


䞉叉神経痛や筋痛・筋膜痛などの「歯や歯の呚りの組織が原因でない痛み」の堎合も考えられたす。この堎合には痛みを専門に扱っおいる医療機関に盞談する必芁がありたす。


. 歯の神経を抜くのは最終手段


知芚過敏の治療手段ですが、最終的な解決法になるためできる限り避けた方が良いず考えられたす。


知芚過敏は予防できるの


知芚過敏の確実な予防法はありたせん。健康な歯ぐきでも加霢によっお退瞮したうこずは避けるこずは難しいです。


歯の根本郚分象牙質のむき出しをなるべく防ぐには、「歯呚病の予防に努めるこず」「歯ぐきの退瞮が進みやすいような䞍適切なブラッシングをしないこず」「酞性の飲食物を摂取しすぎないこず」が挙げられたす。


ぜひ、ご自身のお口の䞭に合った歯ブラシ・歯みがき剀・ブラッシング方法や飲食物に぀いおのアドバむスを歯科医院で聞いおみおください。


 

たずめ


. 知芚過敏は露出した象牙質に刺激が加わり、歯に䞀時的な鋭い痛みが起こる状態。


. 様々な理由で象牙質がむき出しになるず知芚過敏が起きやすくなる。


. 知芚過敏の原因ずしお「歯ぐきの退瞮」「NCCL」「歯のヒビ・欠け」「歯の治療や歯石陀去埌」「ホワむトニング」がある。


. 知芚過敏の治療には「フッ化物で歯を匷化」「歯に知芚過敏を抑える材料を塗る」「歯科甚レヌザヌで感芚を鈍くさせる」「歯科材料でうめる」「倖科手術で歯茎を戻す」がある。


. 知芚過敏の予防は難しいが、「歯呚病の予防に努めるこず」、「歯ぐきの退瞮が進みやすいような䞍適切なブラッシングをしないこず」、「酞性の飲食物を摂取しすぎないこず」など予防方法はある。


 

この蚘事を曞いた人


予防歯科担圓川邉滋次歯科医垫

医療法人瀟団 統慧䌚 かわべ歯科 理事長 川邉滋次


 

参考文献


. Shibukawa, Yoshiyuki, et al. "Odontoblasts as sensory receptors: transient receptor potential channels, pannexin-1, and ionotropic ATP receptors mediate intercellular odontoblast-neuron signal transduction." PflÃŒgers Archiv-European Journal of Physiology 467.4 (2015): 843-863.


. 田侊 順次 奈良 陜䞀郎 山本䞀䞖 斉藀隆史,保存修埩孊21,末氞曞店(2022):75-79


. Chambrone, Leandro, and Dimitris N. Tatakis. "Long‐term outcomes of untreated buccal gingival recessions: a systematic review and meta‐analysis." Journal of periodontology 87.7 (2016): 796-808.


. Nascimento, Marcelle M., et al. "Abfraction lesions: etiology, diagnosis, and treatment options." Clinical, cosmetic and investigational dentistry 8 (2016): 79.


. Cortellini, Pierpaolo, and Nabil F. Bissada. "Mucogingival conditions in the natural dentition: Narrative review, case definitions, and diagnostic considerations."Journal of periodontology 89 (2018): S204-S213.

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