フッ化物はなぜむし歯予防ができるの?

更新日:4 日前

はじめに


フッ化物が配合された歯磨き粉の研究は世界中で行われており、むし歯予防に高い効果が報告されています。日本でも2012年に母子健康手帳にフッ化物についての質問事項が追加され、2017年にはフッ化物入り歯磨き粉のフッ化物イオン濃度の上限が1,500ppmまで引き上げられ、1,450ppmくらいの歯磨き粉が歯科医院やドラッグストアに並んでいます。


 

1, フッ化物の働きは?


フッ化物の働きは4つあり、


①歯の修復を早くする(再石灰化)

②歯が溶けるスピードを遅くする

③歯を強くする

④細菌の活動をジャマする


このような働きによってむし歯の進行を遅らせます。


フッ化物の効果を十分に得るには、フッ化物入り歯磨き粉でブラッシングし、お口の中にフッ化物がある状態をキープすることが必要です。フッ化物濃度1000ppmで約23%、1500ppmで約30%のむし歯予防効果が期待されます。


フッ化物は歯が届きにくい部位にも有効なため、子どもから高齢者の方まで幅広い年代の方に使用していただくことをおすすめします。


特にフッ化物入り歯磨き粉は世界で15億人以上に利用されており、日本では2020年歯磨き粉の中で92%のシェアを誇っています。


2,フッ化物の安全性


子どもにフッ化物を使用することを不安に思う親御さんもいらっしゃると思います。

ここで大事なことは「年齢や歯の生える状況に合わせたフッ化物の濃度」を知ることです。


5歳以下の幼児は、体重あたりのフッ化物量が多くなると、歯のフッ素症(歯に白や茶色の斑点が出る症状)を起こす恐れがあるため、子ども用の低濃度フッ化物入り歯磨き粉の使用をおすすめしています。(年齢によって量や注意事項が変わりますので、詳しいお話を聞きたい方は当院での予防歯科でご案内しています。)


高校生以上になると、歯のフッ素症の心配がなくなるため、日本で販売許可されている高濃度のフッ化物入り歯磨き粉を使用することが可能です。


3,フッ化物入り歯磨き粉使用後の大量ゆすぎはNG!?


ここでせっかくフッ化物をお口の中に取り込んだのに、たっぷりのうがいで大半を流してしまうことがあります。「計量カップ大さじ1杯分(15ml)くらいの水で約5秒くらいの軽いゆすぎ」程度にして、フッ化物をきちんとお口の中にキープしてむし歯予防効果を高めていきましょう。


4,むし歯になりやすい歯、人のタイプは?


生え始めたばかりの永久歯は、硬さが中途半端でみがきにくいため、むし歯になりやすいです。フッ化物入りの歯磨き粉を使用した予防方法はぜひ試していただきたいと思います。


他にもドライマウス(お口の中が乾燥する)、矯正治療中、仕事でどうしても糖や酸を飲食する回数が多い、手が不自由でブラッシングが難しい方などは、むし歯のリスクが高いため、フッ化物入り歯磨き粉にプラスしてフッ化物入りうがい液などのケアも必要です。

ドライマウスについての詳細

 

まとめ


①フッ化物はむし歯の進行を遅らせる効果があり、フッ化物入り歯磨き粉は世界でも幅広く利用されている。


②5歳以下の幼児は、フッ化物濃度による歯のフッ素症を起こさないためにも、低濃度のフッ化物入り歯磨き粉をおすすめする。


③フッ化物入り歯磨き粉でブラッシングした後の多めのうがいはNG。


④むし歯のリスクが高い歯、人ほどフッ化物での予防は必要。


 

この記事を書いた人





かわべ歯科 歯科衛生士 赤堀


 

参考文献


①Buzalaf, Marília Afonso Rabelo, et al. "Mechanisms of action of fluoride for caries control." Fluoride and the oral environment 22 (2011): 97-114.


②Wright, J. Timothy, et al. "Fluoride toothpaste efficacy and safety in children younger than 6 years: a systematic review." The Journal of the American Dental Association 145.2 (2014): 182-189.

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